伊勢崎民報8月号外


県内初の大型溶融施設工業団地が廃棄物処理場に
住民合意なしに建設を承認するな!

…日本共産党地区委員会、豊受・境支部が県に反対の申し入れ

 とね公園東の南部第3工業団地にある関東鋳鉄の用地を、群桐産業という会社が買収し、廃棄物の処理施設をつくる計画が出されています。資料では、一日の処理能力132tの能力を要する焼却溶融施設をつくり、主に焼却灰やばいじん、医療廃棄物などを高温で焼却、溶融処理する計画です。また破砕施設(80t/日)、油水分解施設(144u/日)、中和施設(120u/日)も備え、ほとんどの廃棄物を完全再資源化する施設と説明しています。

□10万人規模の焼却炉、県外からも大量に持ち込まれる廃棄物

 伊勢崎市のリサイクルセンターの焼却炉が、1日処理能力が210tです。これで伊勢崎、境、あずま地区のゴミを処理しています。132tの焼却炉と言えば10万人を超える人口の処理能力を持つ大きな焼却施設ということになります。焼却炉を止めて温度を下げればダイオキシンが発生しますから24時間稼働しなければなりません。その結果として、県内外から毎日大量のゴミが持ち込まれることになります。

□リサイクルしてできた溶融スラグの流通は未確立

 廃棄物を溶かし、建設資材などに使用できるガラス状のスラグにリサイクルする焼却溶融施設は県内ではまだ小規模なものばかりです。まだ完全な技術でなく、全国のあちこちで爆発事故など(福島県で漏電、耐火煉瓦の劣化。愛知県で炉の壁からスラグ流出。愛知県爆発事故。静岡県水蒸気爆発事故)トラブルがおこり問題になっているものです。できた溶融スラグも価格の面や安全性に不安かあり、生産に需要が追いつかず、最終処分場に埋め立てられるものがたくさんあり、流通が確立されておらず施設にストックされるおそれもあります。


□処理する廃棄物は特別管理廃棄物が中心

 計画されている施設では「人の健康又は生活環境にかかる被害を生ずるおそれのある」特別管理廃棄物に指定されている「ばいじん」「医療系ゴミの感染性廃棄物」「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」などの処理が中心になっており、周辺に人家や農地、食品工場などあるこの地域での操業は周辺住民の不安は当然です。

□工業振興の協力があだ!こんなことが通れば団地中が処理場に

 工業団地の建設は、周辺農家が地域の工場の移転や工場誘致による地域経済の発展を願って市や県に協力して売却したものです。10年たてばどう使おうが勝手というのではあまりにも無責任。こんなことになれば処理場を嫌って次々と周辺の会社が撤退、そのあとには廃棄物処分揚ができるという悪循環をくり返す心配もあります。こうした経過を見れば、多くの方が建設計画に不安を感じるのは当然です。


□相次ぐ不法行為タイヤ野積みによる火災、焼却施設の許可取り消し

 利根川沿いではリサイクル名目でタイヤが大量に野積みされ、黒煙を上げ大規模な火災が続いた事件、福島町にある産業廃棄物焼却施設の設置者が違法行為で許可取り消しになった事件など記憶に新しいものです。 許可してしまうと不法行為をくり返しても、なかなか行政当局が有効に対応せずに大きな問題に発展しました。書類上は整っていても、できてしまえば周辺の苦情に応えてくれないことは、これらの経験でもあきらかです。なによりつくらせないことが大事です。


□日本共産党地区委員会、豊受支部、境支部が県に住民の声を聞くよう申し入れ

 7月末日本共産党伊勢崎佐波地区委員会と豊受、境の地域支部の代表者は、県庁を訪問、日本共産党県議団立ち会いで「地域住民の合意なしに廃棄物処理施設の建設を許可しないよう」申し入れを行いました。これには北島元雄、長谷田公子両市議も同席し住民の声を伝えました。

いま周辺地域では住民あげて施設建設に反対する運動が進められています

地域環境を守るために声をあげましょう

住民の同意なしに許可を出さないよう強力な働きかけを